インデックス投資家に人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)通称オルカン。
ぼくの6歳の娘もオルカンに投資しています。
長期の資産形成をする手段としても、子どもへの金融教育の一環としても、オルカンは非常に優秀な手段だと思います。
世界中の株式に分散投資できることは知ってるけど…
それ以上のことはよく分からない…
そんな方向けに、具体的にオルカンの中身を見ていきます。
すでにオルカンを保有している人も、検討中の人も、この記事を読めば理解が深まり安心した資産運用につなげられると思います。
ぜひ参考にしてください。
低コストな世界株インデックスファンド
そもそもオルカンって何?という人のために、まずオルカンの特性について簡単に説明します。
結論からいうと、コストをかなり抑えて世界中の株式に分散投資できる優れた投資信託です。
投資の格言に”たまごは一つのカゴに盛るな”という言葉があります。
有名な格言なので聞いたことがある人も多いと思います。
万が一カゴを落としても、複数のカゴに分けて持っていれば割れるたまごの数を抑えられるという意味です。
転じて複数の会社へ分散して投資をしておけば、仮に一つの会社が倒産してもダメージは少なくて済むということです。
被害は抑えられて限定的になるね!
信託報酬含む各種手数料が低い!
投資信託には大きく3つのコストがかかります。
- 購入時手数料(購入時にかかる手数料)
- 運用管理費用(保有している間ずっとかかる手数料)
- 信託財産留保額(売却時にかかる手数料)
オルカンは、購入時手数料と信託財産留保額がかかりません。無料です。
よけいな手数料がかからないのは嬉しいね!
そしてもっとも大事な手数料が、運用管理費用です。
この運用管理費用はファンドを持ち続ける期間ずっとかかり続ける手数料なので、確実に資産を減らしてしまいます。
わずか1%の違いでも、運用期間が長くなればなるほどパフォーマンスに大きな差が出ます。
運用管理費用は、低ければ低いほどいいのです。
年率0.1144%
かなり低く設定されています。
仮に100万円を運用しても、年間1,144円のコストですみます。
とっても良心的ですね。
世界中の国や地域、すべてに分散投資?
商品名にも”全世界”と入っているため、約200の国と地域の株式に分散投資していると思いがちですが、実際は違います。
以下の表を見てみましょう。
上記のようにオルカンの構成国は
- 先進国23か国
- 新興国27か国
の合計50か国と表記されています。(2022年3月19日にロシアは除外されました)
なんだか意外と少ない気もします。なぜ世界には200の国と地域があるのに、そのすべてが投資対象となっていないのか?
それは投資を行うにあたって、法整備が不十分であったりといった理由があげられます。
しっかり選定されているわけですね。
国別の比率
次にオルカンにおける国別の構成比率を見ていきましょう。
構成国は50か国と表記されていましたので、各国2%ずつでしょうか?
うーん。違うような気がするな。。。
そんなに単純ではありません。
もう一度あの表を見てみましょう。
見ての通り、全体の約60%をアメリカが占めています。
以下日本6.2%、イギリス3.7%、フランス2.9%、カナダ2.9%と続いていきます。
先進国と新興国の比率をみると、先進国が88%・新興国は12%と大きな差があるんですね。
アメリカがダントツだ!
その中でもアメリカが占める割合がかなり大きいですね。
ではなぜ、こんなにも比率に大きな差があるのでしょうか?なぜアメリカの比重が大きいのでしょうか?
それはオルカンが、時価総額加重平均型の指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)に連動するインデックスファンドだからです。
うぅ。。むずかしい。。
簡単にいうと、時価総額の大きな国は多く買って、時価総額の小さい国は少しだけ買うということです。
たとえば、トヨタ自動車と今日誕生したばかりのA社の2社があったとして、手元の資金を同額振り分けるのはバランスが悪いということです。
トヨタ自動車の株は多く、小さな会社の株は少なく買う。
なんとなく感覚的にわかってもらえると思います。
世界中の約3,000の銘柄に投資
これまで見てきたように、世界中の国々に分散して投資できるオルカンですが、銘柄はなんと約3,000に及びます。
この規模の分散は個人では不可能ですね。
私たち投資家はオルカン1本を買うだけで、世界中の約3,000銘柄に手軽に分散ができるのです。しかも手数料は激安です。
投資家に人気な理由もうなずけます。
上位組み入れ銘柄を確認しよう!
つづいては、オルカンの組み入れ銘柄の上位10社を見ていきましょう。
ラインナップは下の図の通りです。
組み入れ銘柄は上位からアップル、マイクロソフト、Amazon、テスラ、アルファベット(Googleの親会社)、Facebook(現在は社名をメタ・プラットフォームズへ変更)、と続いていきます。
どの会社も、誰もが知っている超巨大企業です。上位10社のうち9社がアメリカ企業というのも、アメリカ経済の強さを感じますね。
アメリカ勢が世界経済を席巻しているのがこの表からも読み取れます。
オルカンの構造
世界の50か国の株式を、時価総額に応じて買うことはわかりましたね!
では、オルカンが直接50か国から約3,000の銘柄を買い付けているのかというと、それは違います。
ファンドの仕組みを見てみましょう。
私たち投資家がオルカンを買うと上の図のように
- 外国株式インデックスマザーファンド
- 新興国株式インデックスマザーファンド
- 日本株式インデックスマザーファンド
を買い、それそれのマザーファンドが最終的に株式の買い付けを行います。
つまりオルカンは、マザーファンドを買ってその配分を調整しているということです。
これをファミリーファンド方式といいます。
オルカンの値動き
これまでオルカンの中身を見てきましたが、やっぱり気になるのは値動きです。
どれだけ手数料が安くて分散が効いていても、成長していなければ投資する意味がありません。
こちらがオルカンの設定来のグラフです。
右肩上がりに伸びているね!
2020年のコロナショックでは大きく落ち込みましたが、その後驚異的な回復を見せています。
実はオルカン、運用開始が2018年10月でまだ若いファンドなんです。
ゆえに、運用実績が浅いことを理由に投資を見送る投資家がいることも事実です。
投資信託は投資家から集めたお金をもとに株式を買い付けますが、思うようにお金が集まらないなどの理由から運用をやめてしまうことがあります。
これを繰り上げ償還といいます。
長期投資のつもりで買っていたのに、強制的にファンドを解約され現金化されてしまったら資産運用の計画が大きく狂ってしまいます。
運用期間が浅いと、繰り上げ償還のリスクが読みにくいというデメリットがあげられます。
しかし、オルカンは投資家から集めた資金「純資産」が約5,000億円もあります。
一般に純資産額30億円を目安にファンドを選ぶと、繰り上げ償還のリスクを抑えられるといわれていますので、オルカンはその点安心できるでしょう。
まとめ
ここまでオルカンを詳しく見てきました。
まとめましょう。
- 運用管理費用が年率0.1144%と激安
- 世界中の50の国、約3,000社に投資
- 組み入れ銘柄全体の60%はアメリカ企業
- 運用期間は短いが、今後も継続した運用が期待できる
このように誰でも、手軽に、世界中の株式へ分散投資できるわけですね。
オルカンは世界経済が成長を続けるかぎり、手放す理由がない優秀なファンドといえます。
投資を続けていれば、必ずコロナショックのような大暴落はやってきます。
世の中が悲観になっている時でも、オルカンのポテンシャルを信じて安値で売ることなく、持ち続けていきたいですね。